趣味ゲーにわとり小屋

プルルルル、プルルルル・・・ピッ

 

男「はい」

 

女「あ、いつもお世話になっております。私、あお君の彼女をさせていただいてます ちえ と申します。そちらは私の彼氏さんである あっくん でお間違いないでしょうか」

 

あお「はい」

 

ちえ「さようでございますか！実はご相談がありましてですね、今夜我が家にて開催される泊まり込みの研修に、是非ともご参加いただけないでしょうか」

 

あお「やだ」

 

ちえ「な、なんでやねん！！」

 

あお「だって、どうせゲームするんでしょ？」

 

ちえ「あ、あっくんはゲームが好きだと思われるのですが！」

 

あお「好きだよ」

 

ちえ「！」

 

あお「でも、もうちえと一緒にゲームをするのはちょっと」

 

ちえ「な、なんでよぅ・・」

 

あお「俺たちってさ、いつも1つのゲームを2人で楽しんでるけど、その分担ってどうなってたっけ？」

 

ちえ「えーっと、あっくんがレベル上げとか装備作ったりして、私がストーリーを進める感じ・・です」

 

あお「うん。でもそれって言いかえると面倒なことは全部俺任せで、ちえは楽しいところだけを持ってってるってことだよね？」

 

ちえ「ちがっ！私はあっくんがそういう地味で面倒な作業が好きだと思っ・・」

 

あお「ほら、やっぱり楽しくない作業だって分かってるじゃん」

 

ちえ「うっ」

 

あお「たとえば、ドラクエをやってるときなんかはいつも俺が雑魚敵を倒してレベル上げをしてるよね。で、そのあとは？」

 

ちえ「私がストーリーを進めてボスを倒します・・」

 

あお「今考えるとこれって不公平満載の分担だよね」

 

ちえ「でも！あっくんはレベル上げの時にはぐれメタルとか出たら嬉しそうにしてたよ！」

 

あお「まぁ、そりゃあ嬉しいよね。経験値いっぱいもらえるから」

 

ちえ「私はゲームを見てるのも好きだから、そういうのも込みで一緒に楽しめてると思っていたんだけども・・」

 

あお「ふーん。ゲームを見るのが好き、ねぇ？」

 

ちえ「な、なにさ」

 

あお「俺がレベル上げしてるとき基本ちえはスマホいじってるよね？」

 

ちえ「うっ」

 

あお「スマホが終わったと思ったら、今度は漫画を読みだす始末」

 

ちえ「お、音はちゃんと聞いてるもん！あ、今会心の一撃でた！とか分かるもん！」

 

あお「いやそんな会心の一撃ってｗ」

 

ちえ「あ、今笑った？」

 

あお「笑ってない」

 

ちえ「しょぼーん」

 

あお「じゃあドラクエは置いといて、ポケモンはどうだった？」

 

ちえ「ポケモンは！私もレベル上げとかちょっと頑張ってたよ！」

 

あお「でも、ジムリーダーとか四天王は全部ちえが倒していくよね」

 

ちえ「それはあっくんが私に」

 

あお「伝説のポケモンもいつもちえが最初に戦うし・・といっても結局捕まえられなくて最終的にいつも俺に代わるけどｗ」

 

ちえ「今笑った！」

 

あお「笑ってない」

 

ちえ「しょぼーん」

 

あお「思い返すと、ズバットが出てくる洞窟とかちょっとめんどくさそうな場所もほとんど俺任せだったよね」

 

ちえ「それは・・でも、ちょっとだけでしょ？」

 

あお「ううん。なみのりを覚えた後に出てくるコイキングしか出してこないトレーナーとか、メノクラゲだらけの海での戦闘は全部俺がしてたよね？」

 

ちえ「うぅう。返す言葉がございません」

 

あお「ふふっｗ」

 

ちえ（やっぱり笑ってるよぉ）

 

あお「じゃあFFはどうだった？」

 

ちえ「クラウド好き！あっくんが操作してるクラウド見てるの楽しい！」

 

あお「うん。FFに関してはちえは専ら見る専だったよね」

 

ちえ「クラ・・あっくんは」

 

あお「今俺のことクラウドって言いかけたよね？」

 

ちえ「！」

 

あお「彼氏のことクラウドと呼び間違えるってｗｗ」

 

ちえ「絶対笑ってる！」

 

あお「笑ってない」

 

ちえ「しょぶぉーん」

 

あお「じゃあ俺がバイオハザードやってるとき、ちえはどうしてた？」

 

ちえ「・・・」

 

あお「決まっていつもお風呂に入っていたよね？」

 

ちえ「き、綺麗好きだから・・」

 

あお「でもいつも俺がバイオハザードやろうかってときに限ってお風呂に入りだすよね」

 

ちえ「だって・・」

 

あお「だって？」

 

ちえ「だってあっくん、バイオハザードやってるとき何もないところで急に大声出してびっくりさせてくるんだもん」

 

あお「わっ！！」

 

ちえ「！！」ビクッ

 

あお「こんな感じ？ｗ」

 

ちえ「むーー！！なんで今日はそんなにいじわるするの！」

 

あお「ごめんごめんｗこの間スマブラでちえにボコボコにされた仕返しにｗｗ」

 

ちえ「ふん！あっくんスマブラだけはへたっぴだもんね！」

 

あお「いや、人には向き不向きがあってだね・・」

 

ちえ「そもそもレベル上げとかそういうのだってあっくんから提案したことじゃん！私は何度も 本当にそれでいいの？ って聞いたのに！」

 

あお「だからごめんってｗ それよりもさ」

 

ちえ「？」

 

あお「開けてよ」コンコン

 

ちえ「え！？来てくれたの！？」

 

あお「そんな自分で呼んでおいてｗ」

 

ちえ「わーい！！」ガチャッ

 

あお「ちゃんと新しいゲームも買ってきたよ」

 

ちえ「！！　あっくん好き！！」

 

あお「まぁ、バイオハザードなんだけどねｗ」

 

ちえ「やっぱりあっくん嫌い！！！」

 

 

ー完ー