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【SS】男「沈むように堕ちていくように・・・」

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男「独りだけの空が広がる オ○ニー♪」

 

女「最低ですね」

 

男「いや待ってくれ。これは違うんだ」

 

女「確かに、そういうのは既に人として間違っていると思います」カタカタ

 

男「いや、そういう意味じゃなくて、ほら。『空』は空想と空虚をかけていて、俺的にはまったくよくできた歌だなぁと感心しちゃったりなんかしちゃったりして・・・」

 

女「至極どうでもいいのでさっさと仕事をしてください」カタカタ

 

男「はい」

 

女「・・・」カタカタ

 

男「・・・」カチッ

 

女「・・・」カタカタ

 

男「・・・」カチカチッ

 

男「ねぇ」

 

女「いやです」

 

男「これはこれは、とんだエスパー伊藤がいたもんだ」

 

女「伊藤は余計です。モラハラと先ほどのセクハラで訴えますよ」カタカタ

 

男「エスパー伊藤涙目なんよ。でさ、話があるんだけど」

 

女「いやです」

 

男「なに?もしかして本当に俺の心の内が読めてるとでも?」

 

女「うるさいます」

 

男「アーニャキター!」

 

女「これで満足ですか?」

 

男「 ふむ、流行りに乗り遅れておらず、即座にその切り返しができるとは。さすが俺が認知しただけの子ではある」

 

女「普通に認めたと言えばいいものを、謎の誤解を生む発言はやめてください」

 

男「それじゃあ今夜ちょっと付き合ってください」

 

女「いやです」

 

男「ラッキー!じゃあ仕事が終わったらいつもの場所で!」

 

女「いやだって言ってるじゃないですか。ちゃんと人の話聞いてますか? それに、いつもの場所と言われてもそもそもあなたと仕事外で行動を共にしたことなんて」

 

男「いいか、これは上司命令だ」

 

女「どこでどう頭をぶつけたのかは分かりませんが、私達は同僚です」

 

男「パワハラで訴えてやる」

 

女「意味不明なので却下します」

 

男「しょぼーん・・・」

 

女「・・・」

 

男「・・・」

 

女「・・・それで、いつもの場所というのは?」

 

男「!! ついに来てくれる気になったのか!!」ガタッ

 

女「こうも毎回誘われていては鬱陶しいことこの上ないので。一度でも同行すればもう満足でしょう? 無論、今回が最初で最後となりますが」

 

男「へへっ、まさかその一度切りでこの先の人生狂っちまうとも知らずによくもまぁ」

 

女「薬物乱用みたいに言わないでください」

 

男「じゃあ仕事終わったら駅前で待ってるね。何があっても、永遠に君を待ち続ける。フォーリンラブ」

 

女「重すぎて草」

 

男「え?」

 

女「え?」

 

男「いや、今 草って聞こえたような」

 

女「き、気のせいです!」

 

 

ー PM7:15 駅前 ー

 

 

男「おつかれろんりねすー!」

 

女「・・・」

 

男「あ、先生無視はよくないと思います」

 

女「あなたは仕事もプライベートも一切変わらないのですね」

 

男「うへへwそっくりそのままの言葉をお返し・・・あいや、実は女ちゃんのプライベートは少し違ってたり~?」

 

女「詮索されるのは好きではありません」

 

男「まぁいいや。とりあえず飯いこメシー!腹減ったンゴー!」チラッ

 

女「なんですか?」

 

男「いやぁ、こういうしゃべり方の方が仲良くなれるのかなぁと思ってね」

 

女「はぁ・・・」

 

ー居酒屋ー

 

男「カンパーイ!」

 

女「・・・」

 

男「いやー、やっぱ仕事終わりの一杯は格別だねぇー!」グビグビ

 

女「私は男性がいる席ではお酒を飲まないようにしているので」

 

男「ほぉ、それはつまり、一応俺のことを男として見てくれてるってことでよろしいのかい?」

 

女「随分とポジティブなお考えですね。むしろただの男性としてではなく、危険人物として警戒しています」

 

男「てか居酒屋とかで言う とりあえず生で~ ってセリフ完全に下ネタだよねw いきなり生っておまw」

 

女「話を変えようとしたのかもしれませんが、全然変わっていないどころかむしろひどくしている自覚はおありですか?」

 

男「まぁまぁそうは言わずに」

 

女「それで、先ほど言っていた 付き合って欲しい というのは食事を共にするということでよかったのですか?」

 

男「いや、そうじゃない。本題はここからだ。実は前からずっと言おうと思っていたんだが・・・」ゴクリ

 

女「なんでしょうか」

 

男「・・・」

 

女「・・・」

 

男「ふぅーっ。言うぞ、俺は今日こそ絶対に言うぞ!」

 

女「あー。あの、そういうことでしたら先に言っておきますが」

 

 

男「俺と友達になってくれ!!」

 

 

女「は?」

 

男「いや、俺ほんとこっち来て友達とか全然いなくて寂しくて寂しくて死にそうなのよ」

 

女「はぁ、本当にあなたという人は」

 

男「あ、もしかして愛の告白でもされると思った?」

 

女「あの流れからしたら誰だってそう思うでしょう」

 

男「自惚れちゃあいかんよお嬢さん」

 

女「もう帰っていいですか」

 

男「いやごめんちょっと待ってって」

 

女「そもそもあなたの言う 友達 という定義が私には想像できないのですが」

 

男「ああ。友達って言えばほら、お互いのピンチの時には命を賭してでも助けに行こうっていう」

 

女「重すぎです」

 

男「ん?」

 

女「ですから、重すぎると言っているんです」

 

男「ふーん、重すぎて・・・なんだっけ?」

 

女「はぁ・・・ 草 と言えばそれで満足ですか」

 

男「いやー、実は女ちゃんが2ちゃんねらーだったとはねぇw」

 

女「誰にだって裏表はあるものでしょう。ただ、それをあなたに知られてしまったのは私の人生で一番の失態かもしれません」

 

男「お、認めるんだ」

 

女「もう隠し通せそうにもないですからね」

 

男「じゃあ次から俺と2人でいるときは、そのプライベートモードで話せるってことだね」

 

女「なんでそうなるんですか」

 

男「え?だって俺たちもう友達だよね?」

 

女「違いますけど」

 

男「んあああああああああ!!!!」バンバンッ

 

女「ちょっ!何やってるんですか!やめてください!」

 

男「はい」ピタッ

 

女「はぁ、今時子どもでもそんな駄々こねませんよ。大人として恥ずかしくないんですか?」

 

男「恥ずかしくてもなんでもいいからお友達が欲しいンゴ」

 

女「気持ちは分かりましたが、友達が欲しいだけなら無理に私である必要はないでしょう。それだけ容姿が整っているのであれば他にもっと話の合いそうな」

 

男「俺は君と友達になりたいんだ」

 

女「え?」

 

男「エンダァァァァァァ」

 

女「もうダメだこの人・・・」

 

男「じゃあ、とりあえずは俺と友達になってくれるってことでいいんだよね?」

 

女「どうせ嫌だと言ったらまた暴れだすんでしょう」

 

男「誰があばれる君やw」

 

女「はぁ・・・」

 

かくして男と女は友達となった。

 

 

ー終?ー

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